痛みの分類と交通事故被害者支援~後遺障害支援弁護士の視点から

2021年1月9日 13時06分47秒 (Sat)

本日は痛みについて書かせていただきます。
交通事故被害者の支援活動をしている際に
 どこどこに痛みがある
と被害者の方が訴えることはありますがそもそも痛みのメカニズムなどを把握して
いなければ被害者の方の訴えている内容を理解できるはずがありません。
そこで、自身の勉強を兼ねて
 痛みの分類等をまとめつつ、交通事故被害者支援弁護士としての視点・意見等
を書かせていただきます。
1 痛みの分類方法

 1 痛みのメカニズムによる分類
   大まかにわけて侵害受容性疼痛と病態生理学的疼痛の二つに分けることができます。
   これら2つを3つに分けて
   生理的疼痛(狭義の侵害受容性疼痛)、炎症性疼痛、神経障害性疼痛に分けることができます。
   生理的疼痛とは、機械的な有害刺激に侵害受容器が反応して生じる痛みです。
   具体例を挙げるとすれば、外傷や術後痛が挙げられます。
   組織が障害されたことによる痛みと捉えてよいかと思います。
   後述する急性痛に該当します。
   この場合の痛みの役割は警告信号です。
   組織が障害されていますよとアピールして治療や保存を促すといった意味合いがあります。
   炎症性疼痛は、組織の障害・変性・感染等によって生じた炎症に伴い放出される内因性発
   痛物質が侵害受容器を刺激して発生します。炎症の場合なのでわかりやすいですね。
   神経障害性疼痛とは、神経組織の障害、神経系の可塑的変化、心因性要因の関与等によって、
   生じるもので、神経自体の損傷や遷延する侵害刺激により疼痛伝達にかかわる神経システム
   自体に異常をきたしている場合です。警告信号としての役割がない不要な感覚になります。
 2 持続期間に基づく分類
   急性痛と慢性痛に分けられます。この二つはよく聞く表現ですね。
   前者は、組織の治癒や刺激の消失により消退する痛みです。
   後者は、一般論として3か月~6か月以上続く痛みを指します。
   さきほど紹介した神経障害性疼痛の場合の他、侵害刺激が持続的かつ反復的に作用している
   病態=慢性侵害受容性疼痛の場合がございます。
2 どうして痛くなるのか~痛みの生理学

 1 端的に言えば、侵害受容器が痛みを受容するからということになります。
   侵害受容器には、高閾値機械受容器とポリモーダル受容器がございます。
   前者は、機械的侵害刺激にだけ反応し、後者は機械的侵害刺激以外にも
   科学的刺激や熱刺激にも反応するものになります。
 2 一次痛とニ次痛
   一次痛は鋭い痛みで伝達速度ははやいものになります。
   例えば、針で刺した場合の痛みがこれに当たります。
   二次痛は、鈍い痛みで伝達速度は遅いです。
   例えば、熱いものを触った場合の痛み
   がこれに当たります。
 3 簡潔にまとめると何らかの刺激を受容体が受容し、痛いという信号を伝えるから
  痛くなるということになるかと思います。
3 どうして痛みが長引くのか?
  1 炎症性疼痛の場合
    炎症が生じると、様々な内因性発痛物質が放出されます。
    これらがポリモーダル受容器に対し興奮作用を及ぼし痛みが発生します。
    侵害受容器に存在するイオンチャンネルが活性化し、痛みに関する感受性が亢進します。
    この興奮作用と感作作用が痛みの遷延化・慢性化の原因となります。
  2 神経障害性疼痛の場合
    神経細胞のチャンネルの活性化、交感神経の関与、侵害受容神経における受容体の感作
   等があげられます。
 4 痛みの評価法
   主観的な感覚であるので、客観的な評価法、診断法はまだ確立されていないです。
   そのため、後遺障害の診断書等で自覚症状に痛みが記載されているだけでは、
   後遺障害が認定されないことになります。
   ただ、痛みの強さの評価法として、
   NRSやVAS、フェイススケールやMPQなども存在しているので、後遺障害認定の場面で
   同数値を計測しておくことも全く無意味とまでは言えないです。
  5 治療方法
  1 薬物治療
    投薬治療ですね。これはそのままですね。
  2 神経ブロック療法
    神経やその周辺に麻酔薬を注射して、痛みをなくす方法です。
  3 手術療法
​    文字通り手術を行う方法ですね。
  4 理学療法
    運動療法等のリハビリテーションですね。
    関節可動域の回復や姿勢の改善による疼痛の改善の他
    ドーパミンの分泌による鎮痛効果等があるとされています。
  6 後遺障害等級認定支援の見地から
  1 上述のように一言で痛みといっても色々な痛みがあり、
    発生機序もさまざまです。
    痛みが残っているから、後遺障害が認定されるということには残念ながらなりません。
    後遺障害の残存を証明するようない医学的なエビデンスの存在が必要ということになります。
  2 後遺障害等級認定申請をなすのであれば、やはり専門的な知識を有している弁護士の支援を受けること
   をお勧めします。
    必要な資料の収集や異議申立書の起案につきましては、個人でやるには限界があるといわざるを得ませ
   ん。
    弁護士費用付帯特約があれば、負担なく弁護士を頼むことができますし、
    重度の後遺障害案件であれば、相談料なしで相談に応じる弁護士も多いかと思います。
    まずはまずは、ご気軽に弁護士にご相談されることをお勧めします。

     

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