諾成契約と要物契約とは~民法改正をうけて 湘南平塚法律事務所

2020年9月14日 12時44分41秒 (Mon)

諾成契約とは、当事者の全員の合意のみで成立する契約をいいます。
対義語は要物契約です。
要物契約では、諾成契約と異なり、当事者全員の合意に加えて、物等の引き渡しや交付を成立要件とされております。
 すなわち、物の引き渡しや交付を経て初めて正式な契約成立とならないものになります。
 
世の中全般の契約は原則的に前者の諾成契約であり、
例外的に、いくつかの類型のみ要物契約とされているとイメージしていただければ大丈夫かと思います。

さらに、2020年の民法改正により、要物契約とされていた契約のほとんどが諾成契約と変更されております。
 民法改正前は、寄託契約、消費貸借契約、使用貸借契約等において要物性が認められてきましたが、
 改正後は、消費貸借契約や動産質権設定の場面だけとなりました。

 わかりやすいように寄託契約をイメージしてみましょう。
 寄託契約とは、
  物をあずかって、保管してもらう契約をいいます。
  身近な例だとコインロッカーや倉庫がわかりやすいですね。
  民法改正前は、具体的な物の引き渡し・交付があって初めて寄託契約が成立した
 とされておりました。
  物を預かるという性質上要物契約としていたという経緯があります。
  しかし、実際には物を引き渡す前に契約をなすことも実務上多く、逆に要物性の要件
 があるがゆえに、法的なトラブルが生じる場面が多くありました。
  そこで、今回の改正で諾成契約に変更されたというわけです。
  
 各契約書において要物性が要件とされている内容が記載されている場合には
 民法改正を踏まえた内容に変更される方が無難ですね。

 湘南平塚法律事務所 弁護士 大木秀一郎
  


 

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